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治療薬がない疾患領域の治療薬を作る(臨床試験におけるハードル編)
新薬を作ることを目指す研究者にとっては、治療薬がない疾患領域の治療薬を作るのは夢であり目標です。もちろん、患者さんも治療薬開発を強く望まれています。でも、今まで治療薬が作られなかったのには何らかの理由がある訳で、それをちゃんと理解した上で取り組まないとのちのち労力が無駄にな...
2017年1月20日読了時間: 3分
古いけどオンリーワンな薬
前回の「分子標的薬が主流な理由」の続きです。 前回のブログの中で「外国の大手製薬会社は分子標的薬によって分子と疾患という貴重な情報を集積している。日本の大手製薬会社も同じことをしているが明らかに差がある」というような内容の話をしました。そして「日本の製薬会社が海外大手に比べ...
2017年1月17日読了時間: 3分
分子標的薬が主流な理由
創薬の現在の主流は分子標的薬。これは低分子であっても一種類の分子にしか作用しない化合物を作るということです。例えば、EGFR阻害剤ならそれ以外のファミリー分子(ErbB2、ErbB3、ErbB4)にさえ作用しない化合物にする。そしてさらに、その化合物に+αで何らかの作用が乗...
2017年1月14日読了時間: 2分
実験動物とヒトの違いを意識する(スタチンのケーススタディ)
内資系製薬企業のS社が高脂血症治療薬を作っていた頃、青カビから単離した物質がHMG CoA還元酵素を拮抗阻害することを見つけました。しかし、その後の実験でこの物質が、ラットの血中コレステロールを下げる効果を持たないことが分かり、「これはおかしい」ということで開発が中断されて...
2017年1月11日読了時間: 3分
人工知能の創薬への応用
人工知能技術が大きく進歩してきているみたいですね。囲碁では人工知能AlphaGoが世界トップクラスの棋士に勝ちました。医療の世界でもIBMのWatsonが、最適な治療法を見つけ出し、医師に提案して患者さんの命を救ったというニュースがありました。これらのニュースで驚くのは、...
2017年1月8日読了時間: 3分
プラセボ効果・ノセボ効果
製薬会社で研究員してたから、当然のことながらプラセボ効果は知ってた。 プラセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。(Wikipediaより) 治験でも「プラセボ対象試験」とか言って、効果を見たい薬と比較するために、プラセボ薬と...
2017年1月5日読了時間: 2分
新しい薬が作りにくくなってきた訳
アクトスやメバロチン、クレストール、プログラフ、アリセプト、エビリファイなどの大型新薬が次々と特許切れし、会社を支える次の屋台骨が出せないという20XX年問題は今やすっかり騒がれなくなりました。が、では各社とも問題が解決できたのかというとそうでもなさそうです。新薬が出せず、...
2016年12月27日読了時間: 3分
薬作りは科学的ではない
薬を作る工程の途中では科学では未解明なところもたくさんあります。例えば ・化合物Aはなぜ毒性が出るのか? ・化合物Bはなぜ代謝安定性が悪いのか? ・化合物Cはなぜ物性がよくないのか? ・化合物Dはなぜ非競合阻害なのか?競合阻害なのか?...
2016年12月24日読了時間: 2分
「大学の研究」と「製薬企業の研究」というお仕事の心理的な違い
業績 という点から「大学の研究と製薬企業の研究の違い」を考えてみました。 大学の研究では論文化する際に、高いインパクトファクターの雑誌を目指しますが、相当難関です。一方で、御三家のような高いインパクトファクターの雑誌に出せなかったとしてもだんだん雑誌のレベルを落としていけば...
2016年12月18日読了時間: 2分
研究者の癖
未だに解決の糸口が見えない豊洲新市場の移設問題。いろいろ突っ込みたいことはあるのですが、研究者の癖から一点だけ言いたいことが。 豊洲の地下空間から基準値以上の〇〇が検出! とかニュース番組は騒いでますが、 コントロールって取ってるんでしょうか?...
2016年12月12日読了時間: 2分
誰でも思いつくことを言わない
就活生と話をした時のことです。「あなたは製薬会社に入ったら、どんなことがしたいですか?」と訊いたら 「がんでしか発現していない分子を見つけて、創薬ターゲットにして、副作用のない抗癌剤を作りたい。」 と答えてくれました。確かにそういう抗癌剤があればいいと思いますが、みんな同じ...
2016年12月6日読了時間: 2分
プレゼンは出だしが大事
プレゼンは結論以上に出だしが大事です。 論文など普通の文章は読み手が何度でも読み返せますから、多少難解な文章を書いても、何回も読んでもらえばいいという部分があります。しかし、 プレゼンには時の流れがあります。 一度見せたスライドは二度見せない場合が多いですし、一度言ったセリ...
2016年11月21日読了時間: 2分
プレゼンにおける「大学と企業の違い」
前回の記事では「就活生が知りたい「大学と企業の違い」」について書きましたが、今回はプレゼンにおける「大学と企業の違い」について書きます。前回の記事にも書いたように、私は大学と企業の両方に勤めたことがあるので、私が感じるプレゼンにおける「大学と企業の違い」について書きます。...
2016年11月15日読了時間: 2分
就活生が知りたい「大学と企業の違い」
よくインターン生と話をする時に、インターンに来た目的を 大学と企業の違いを知るため と言う人は多いです。確かに、「インターンで企業の仕事を知ることで、自分が研究をしている大学との違いを知り、大学で研究するか、企業に入るかを判断したい」という気持ちはわかります。でも私から見る...
2016年11月12日読了時間: 3分
Take Home Message
プレゼンの締めに話す「まとめ」のことを、英語で Take Home Message ということがあります。読んで字の通り、「家に持ち帰るメッセージ」ですね。 ただ、プレゼンした内容を家まで持ち帰ってもらうのは結構大変です。人の脳は20分後に42%もの情報を忘れてしまうそうで...
2016年11月6日読了時間: 2分
ポスドク→企業就職を目指す方へ(その2)
前回の記事「ポスドク→企業を目指す方へのアドバイス」の第2弾です。 前回は、ポスドク→企業研究者を目指す方々はプレゼンが、専門家を対象としすぎていて伝わらないという話をしました。今回は 研究内容 + 自己分析 というお話です。大学でポスドクとして働かれてきた方々は、...
2016年11月3日読了時間: 2分
流行りのワードをからめる
製薬業界では2000年以降、20〇〇年問題というのが常に言われ続けています。いわゆるブロックバスター(有り体に言えば、看板商品)の特許切れ問題です。この業界の世界一位の会社でさえ新薬を出すのに四苦八苦して買収企業化している状態です。そこで今の製薬企業の研究で行われていること...
2016年11月3日読了時間: 2分
3人よればプレゼンが必要?
会社で働いてきて思いますが、会社は会議が多いです。よく自己啓発本とかには「会議を減らしましょう」とか書かれていますが、勝手に会議を組まれるのでどうしようもありません。しかしよく考えてみれば、会社というのは、異なる専門分野の人たちがチームを作って協力し、大きなことを達成する集...
2016年10月19日読了時間: 2分
聴衆に「論理的思考力がある」と思われるプレゼンとは
就職活動や実際の仕事の現場では 論理的思考力が重要 と言われますし、実際そうだと思います。採用面接では面接官はプレゼンからも論理的思考力の程度を見ています。論理的思考力とは、 みんなが納得できるように説明する能力 だと思うので、プレゼンはそれを測るのにうってつけです。...
2016年10月13日読了時間: 2分
聴衆の報酬系を働かせる
脳には報酬系というシステムがあり、このシステムが働くと快感を感じます。実験用マウスに、あるボタンを押すと脳の報酬系に電極が流れる装置をつけておくと、マウスは病みつきになって食べるのを忘れて餓死するまでボタンを押し続けるそうです。ヒトでも恋愛や美味しいものを食べた時、そして麻...
2016年10月4日読了時間: 2分
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