製薬会社で研究員してたから、当然のことながらプラセボ効果は知ってた。
プラセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。(Wikipediaより)
治験でも「プラセボ対象試験」とか言って、効果を見たい薬と比較するために、プラセボ薬という何の効果も副作用もない小麦粉みたいな物質を、見た目だけ同じ(錠剤だったら剤形・色など)にして投与する患者さんの群を設定したりします。
でも最近まで
ノセボ効果
って知らなかった。薬学部卒なのに。習ってたかな?
ノセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの副作用がみられる事を言う。(プラセボ効果の説明を一部改変)
そんなのがあるんだって驚くと同時に、まあそういうこともあるから人間って難しいんだよなって思います。プラセボ効果ってすごく影響するんだなって思ったことがあります。それは
抗うつ薬。
以前、「SSRIなどの現在の主流の抗うつ薬はプレセボ効果とほとんど差がない」というデータを見て衝撃を受けました。実際、うつ病はプラセボ効果で改善する人が結構多く、薬の効果が見えづらい病気ではあると思います。でもSSRIがプラセボとほとんど違いがないということになると、今までの「脳内セロトニン量を増やすことでうつ病を治療」という考え方を変えていかないといけないかもしれません。今後どうやって新しい抗うつ薬を作っていくか?という問題に対するアプローチが非常に難しくなります。実際、新規抗うつ薬をどう作るか?は定まっていない感じがします。多いのはケタミンという麻酔薬が難治性うつ病に効く可能性があるということからケタミンの薬理作用を解明して新薬を作るというアプローチ。Natureなどにケタミンの薬理作用解析の論文が出てました。強い効果を持つ新規の抗うつ薬をどうするか?考えてみたいと思います。
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