研究論文を書く時は、当然ですがイントロから結果・考察・実験手法まで、全てを丁寧に記載します。でもプレゼンの場合はそうとも限りません。
例えばあなたの研究が、「とある希少心疾患の患者さんから単離したiPS細胞由来の心筋細胞と、健常人の患者さんiPS細胞由来の心筋細胞を比較した結果、ある違いがわかった」というような研究の場合、この
ある違い
が一番のキーポイントです。その中で例えばiPS細胞から心筋細胞への分化のさせ方に特徴があったとします。専門が同業の人へのプレゼンだと、この分化のさせ方は重要なので、しっかり時間をかけて説明すべきです。
しかし、もし同業者じゃない人たち、研究者じゃない人たちに説明する場合、果たして実験手法のコツは説明が必要かどうか、しっかり考えたほうがいいです。この場合、一番の研究成果は、希少心疾患の原因(かもしれない)を発見したことにあります。同業の研究者はその原因発見のノウハウである実験手法も知りたいでしょうが、非同業の人たちにとっては、そもそも実験手法は二の次です。複雑な分化誘導実験の説明を聞いて理解できないと、せっかくのメインの成果である、希少心疾患の原因発見の話にたどり着く前に挫折してしまいます。そういう時は思い切って、
手法の詳しい説明をばっさりカット
しましょう。分かりやすいプレゼンへのコツ、実は情報のカットにあります。聴衆がどういう人たちかによって、メイン以外はカットする決断。これが重要です。
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