ポスドク(大学研究者)から製薬研究職への転職(これからの製薬会社)
- Ken Yoshida
- 2017年3月3日
- 読了時間: 3分
このブログでも何回か書いてきましたが、またポスドクから企業研究職(製薬研究員)への転職について書いてみたいと思います。
ポスドク・大学研究者の現状を見ていると、確かに「し烈」だなと思います。相当高いレベルの業績を短期間で出さないと安定したポストにつけない。国公立大は教授になるまで任期付きポストだし、私立はもう少しましかもしれないけど、大学自体が規模縮小しなきゃいけないところも多い。少子化だから顧客(学生)は減る一方だし、大学がこれから学生の定員を減らすことはあっても、増やす方向には行かないと思います。
先日ネットを見ていたら、
東大生のレベルが下がってきている
という話が出てましたが、そうなるのは当たり前です。少子化で全体の人数が減っているのに定員の数を減らさなかったら全体のレベルは下がります。あと、東大もグローバルの波に押されてるってのもあります。優秀な学生は海外の一流大学を目指して、東大は滑り止めにしているって話もあります。日本でもグローバル人材が必要とされてる時代ですから、優秀な学生が日本から世界に飛び出していくのはいいことです。
話が逸れてしまいましたが、要は大学は定員を減らさないといけない圧力がかかっています。でもそんなに減らせない。なぜかというと、定員減らしたら教員の数も減らさないといけないから。
つまり教員の数も減らす方向への圧力がかかっています。この先ベビーブームが来る可能性は絶望的ですから、この流れが変わることはないでしょう。
一方の製薬業界もグローバルの波に押されています。健康保険の破綻が懸念されるほど医療費が高騰しているため政府は医療費抑制に取り組んでいて、日本の医薬品産業は全体として縮小傾向です。そこである程度規模以上の製薬会社は海外市場を主戦場とする方向にシフトしています。でもライバルが多く、海外でも売れるような製品がなかなか作れず四苦八苦しているのが現状です。
でも私は、日本の科学レベルの高さに期待しています!
大学の将来は分かりませんが、製薬会社は、日本の高い科学レベルをうまく活用することで、世界で必要とされる薬が作れると私は思います。そのためには国内外の大学で最先端の科学に携わってきたポスドク、大学研究者の人たちの力が必要になります。
ポスドク、大学研究者の方々は実感されていないと思いますが、日本の製薬会社は大学の高い科学レベルに期待しています。実際アクテムラ(IL-6抗体)もオプジーボ(PD-1抗体)も日本の大学との共同研究から生まれてきた薬です。
大手の製薬会社は高い科学レベルの中で鍛えられたポスドク、大学研究者を必要としています。今のところ、その採用数は新卒と比較してそんなに多くはありませんが増加傾向にあります。そもそも海外の製薬会社は研究員の多くは新卒で採用していません。研究員の多くはポスドクや大学のPI出身者です。日本の製薬会社もそのうちそういう流れになっていくと私は思います。
日本の高い科学レベルの中で頑張っているポスドク、大学研究者の皆さん、製薬会社で働くことも検討してみませんか?
ご質問ご意見はお気軽にkenyoshida36@gmail.comもしくは下のコメント欄まで。
Commentaires