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怜玢

Neoleukin Therapeutics (Seattle, WA, USA) ヌケンのバむオベンチャヌ探玢第回ヌ

曎新日2020幎12月30日


遺䌝子合成技術、たんぱく質構造予枬、蚈算アルゎリズムを甚いお、自然界にはない党く新芏配列のタンパク質de novoたんぱく質をデザむンする独自技術を持぀バむオベンチャヌ。がん免疫療法薬や新型コロナりむルス感染症COVID-19の治療・予防薬の開発を行っおいる。


ホヌムペヌゞhttps://www.neoleukin.com/


背景ずテクノロゞヌ

・たんぱく質そのものが治療薬ずなっおいるたんぱく質医薬品には、むンスリン、゚リスロポ゚チン、むンタヌフェロン、G-CSF、酵玠補剀酵玠補充療法モノクロヌナル抗䜓抗䜓医薬品などがある。これらは生䜓内の生理掻性たんぱく質だが、遺䌝子組み換え技術を甚いお䜓倖で補造しヒトに投䞎するず、高い臚床効果ず䜎い毒性ずいう特性を持぀こずが明らかずなり、医薬品ずしおの利甚が進められおいる。


・ヒト生䜓内には玄10䞇皮類のたんぱく質が発珟しおいるず考えられおいるが、その䞭でたんぱく質医薬品ずしお利甚されおいるのは䞊蚘のようにごく䞀郚である。倚くのたんぱく質は圹割が十分分かっおいなかったり、補造が困難だったりするのだが、その他にも以䞋のような理由がある。


・倩然たんぱく質は、ほずんどの堎合、安定性よりもたんぱく質の機胜を優先しお進化しおきた。 その結果、ほずんどの倩然たんぱく質には構造的な䞍芏則性があり、これは溶解性の䜎さや突然倉異の堅牢性の䜎さなど、治療法の開発に課題をもたらす非理想的な特性ずなっおいる。これらの䞍芏則性は、倩然たんぱく質の機胜を損なうこずはないが、倩然たんぱく質を治療薬ずしお再利甚するプロセスを著しく阻害する可胜性がある。


・そこで、たんぱく質工孊を甚いたアプロヌチで医薬品ずしお利甚できるように改倉を行う技術が甚いられおいる。䟋えば以䞋のような方法である。

「ヒトの顆粒球コロニヌ刺激因子G-CSFのN末端偎の5アミノ酞を眮換するこずで、生物掻性および血挿䞭安定性に優れる誘導䜓ナルトグラスチム商品名 ノむアップが開発された。たた遺䌝子組換えによりヒトの゚リスロポ゚チンEPOが本来持぀3本のN結合型糖鎖を5本に増やしたダルベポ゚チンアルファ商品名ネスプはEPOレセプタヌぞの芪和性は䜎䞋するものの、゚リスロポ゚チンず比范しお長い䜓内半枛期および高い生物孊的掻性を瀺す。」Wikipediaより。

それ以倖にもマラリアに察するより効果的なワクチンの開発のためのたんぱく質の安定化 、セリアック病の治療のための酵玠の匷化 、免疫原性゚ピトヌプの提瀺のための自己組織化ナノ粒子 、倚数の抗䜓の最適化などがある。


・しかし、このアプロヌチには限界がある。安定性、基本的な䜜甚機序、およびたんぱく質配列などの最終補品の生化孊的特性は、出発点ずしお䜿甚されるたんぱく質に本質的に結び぀いおいる。さらに、倩然のたんぱく質は、䞍安定になったり、機胜しなくなったりする前に、限られた数の改倉にしか耐えられないこずがよくある。その結果、倩然たんぱく質から開発された治療甚たんぱく質は、しばしば安定性や補造性に劣り、倚くの堎合、生理掻性が著しく䜎䞋する。


・そこで党く新しい人工の掻性たんぱく質を生み出す技術ずしお、de novoたんぱく質デザむン技術が開発されおきおいる。de novoたんぱく質デザむンは、蚈算アルゎリズムを甚いおたんぱく質を䜜成する技術で、自然の進化によっおできたたんぱく質配列よりも指数関数的に倧きなたんぱく質配列空間にアクセスするこずができる。䟋えば、100残基のたんぱく質を考えた堎合、20個の倩然アミノ酞をすべお組み合わせた配列の可胜数は玄10の123乗個。しかし、自然の進化やたんぱく質工孊によっお採取されたたんぱく質の総数は、10の20乗皮類の配列のオヌダヌず掚定されおおり、そのため倩然のたんぱく質では満たされおいない課題を解決するこずが期埅される。


・de novoたんぱく質デザむンは 蚈算胜力、遺䌝子合成技術、たんぱく質構造予枬、蚈算アルゎリズムの進歩の組み合わせによっお可胜ずなった。幅広い圢状ず倧きさを持぀倚数のde novoたんぱく質足堎すなわち、機胜を持たない、よく折り畳たれたたんぱく質構造が蚭蚈され、機胜性分子の開発の出発点ずなった。䟋えば、䞍掻性なde novoたんぱく質の足堎に、機胜的な掻性を持぀モチヌフを導入するこずモチヌフグラフトずしお知られおいるにより、たんぱく質蚭蚈者はいく぀かの機胜的な掻性を持぀de novoたんぱく質を䜜成するこずができるようになった。その䟋ずしおは、むンフル゚ンザやボツリヌス神経毒に察する治療の可胜性を持぀䜕千もの高芪和性ミニたんぱく質や、カスタマむズ可胜な现胞機胜を持぀生理掻性たんぱく質スむッチなどが挙げられる。


・もう䞀぀のたんぱく質蚭蚈アプロヌチは、目的の機胜を達成するために構想段階から調敎された機胜的なde novoたんぱく質を䜜成する方法である。このような「意図的に機胜する」de novoたんぱく質の蚭蚈には、最終的な蚭蚈の圢状、サむズ、および機胜を高床に制埡する必芁があるたた、目的ずする機胜郚䜍の構造に関する事前の知識や仮定も必芁ずする。その䟋ずしおは、゚プスタむンバヌりむルスたんぱく質阻害剀の蚭蚈、膜貫通型Zn2+茞送らせん状たんぱく質などがある。


・de novoたんぱく質は、䞊倖れた堅牢性を瀺す。短く構造化された連結ルヌプを持぀芏則的な二次構造芁玠、十分に充填された疎氎性コア、倧郚分が極性を持぀露出衚面、および非垞に満足床の高い極性盞互䜜甚など、理想化されたたんぱく質構造の原則に埓うように蚭蚈するこずができるため、de novoたんぱく質は倩然たんぱく質が持぀制限の倚くを克服するこずができおいる。さらに、珟圚のたんぱく質蚭蚈法は、分子内盞互䜜甚特に連続した残基間が匷い分子を䜜るこずに優れおおり、その結果、倩然のたんぱく質ず比范しお非垞に高い本質的安定性ず折り畳み性を持぀de novoたんぱく質が誕生するこずが増加しおきおいる。その結果、理想化された構造を持぀de novoたんぱく質は、極端な耐熱性や突然倉異の頑健性などの生化孊的特性を瀺すようになった。これ以倖にもde novoたんぱく質デザむンは、補造性、溶解性、および調敎可胜性などの非垞に望たしい生化孊的特性を有する治療甚たんぱく質の創補を可胜にするこずができる。


・今回玹介するNeoleukin Therapeuticsはこのde novoたんぱく質デザむンを甚いお、がん免疫治療薬の開発を行っおいるバむオベンチャヌである。リヌドプロダクトであるNL-201はむンタヌロむキン-2IL-2ずむンタヌロむキン-15IL-15の䞡方の機胜を暡倣したde novoたんぱく質を甚いた免疫療法である。


パむプラむン

・NL-201

むンタヌロむキン-2IL-2ずむンタヌロむキン-15IL-15の䞡方の機胜を暡倣したde novoたんぱく質。

IL-2は匷力な免疫刺激性サむトカむン。組換えIL-2アルデスロむキンは、がん治療に䜿甚されおきたが、その毒性のため臚床応甚は非垞に限定的だった。生䜓内では、IL-2の効果は、アルファCD-25、ベヌタCD122、ガンマCD132の3぀の郚分からなる受容䜓ずの盞互䜜甚によっお媒介される。IL-2の毒性は、CD25ずの盞互䜜甚によっお悪化する。NL-201は、CD25に結合するこずなくIL-2のシグナル䌝達を匷力に刺激するたんぱく質で、IL-2受容䜓のβ鎖およびγ鎖ず排他的に盞互䜜甚し、抗腫瘍効果のあるT现胞を遞択的に増殖させる。たた、IL-15はIL-2ず同じβ・γ鎖を共有しおいるため、NL-201はIL-15の掻性をフルに発揮し、抗腫瘍NK现胞を同時に増殖させるこずができる参考。単剀での䜿甚や他のがん免疫治療薬ずの䜵甚以倖にも、他家现胞療法ずの䜵甚により、移怍されたCAR-T现胞やNK现胞の増殖・維持が期埅される。

開発䞭の適応症

・前臚床研究段階

がん

・NL-CVX1

SARS-CoV-2スパむクたんぱく質のの受容䜓結合ドメむンに結合し、ヒトアンゞオテンシン倉換酵玠2hACE2ずスパむクたんぱく質の結合を阻害するように特異的に蚭蚈されたde novoたんぱく質デコむ。NL-CVX1を予防的に経錻単回投䞎したずころ、臎死量のSARS-CoV-2に感染したハムスタヌはすべお生存した参考。

開発䞭の適応症

・開発ステヌゞ䞍明

新型コロナりむルス感染症COVID-19の治療薬および予防薬


・de novoサむトカむン受容䜓アゎニストおよびアンタゎニストの蚭蚈

サむトカむン受容䜓アゎニストがん免疫療法薬ずしお

サむトカむン受容䜓シグナルのバランスを回埩させるこずを可胜にする、de novoサむトカむン暡倣薬自己免疫疟患やアレルギヌ疟患改善薬ずしお


コメント

・たんぱく質構造生物孊ず蚈算科孊を甚いお合成生物孊的アプロヌチで、党く新しい人工たんぱく質を䜜り出すアプロヌチはこれからどんどん創薬に応甚されおいる可胜性が高いのではず思う。ヒト生䜓内でたんぱく質合成に䜿われおいるアミノ酞は20皮類だが、新たな技術ずしお非倩然アミノ酞を組み蟌んだたんぱく質合成技術も開発されおきおおり、これらの䞭から党く新しい薬理䜜甚を持぀たんぱく質医薬品が生たれおくる可胜性もある参考。4塩基コドンを甚いたde novoたんぱく質合成など、合成生物孊アプロヌチの今埌の展開にも泚目。


キヌワヌド

・合成生物孊

・de novoたんぱく質

・がん免疫療法

・新型コロナりむルス感染症COVID-19



免責事項

正確な情報提䟛を心がけおいたすが、本内容に基づいた劂䜕なるアクションに察しおもケンは責任をずれたせん。よろしくお願いしたす。

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