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CARsgen Therapeutics (Shanghai, China) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第44回)ー


中国のバイオベンチャーでもここまでCAR-T療法の治験が進んでいる(第1弾)。固形ガンへのCAR-TのPhase1試験がすでに昨年から進行している。

ホームページ:http://www.carsgen.com/

パイプライン:

CAR-GPC3 T cells

Glypican3を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。Glypican3は肝臓がん細胞で発現が高い膜タンパク質として報告されている(参考)。

開発中の適応症

・Phase 1

難治性肝細胞がん

CAR-CLD18 T cells

Claudin18.2を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。Claudin18.2は胃がん細胞で発現が高い膜タンパク質として報告されている(参考)。

開発中の適応症

・Phase 1

進行性胃がん・すい臓腺癌

anti-EGFR CAR T

EGFRを認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。EGFRは種々のがん細胞での発現が高い膜タンパク質。

開発中の適応症

・Phase 1

進行性神経膠腫

CAR-CD19 T cells

CD19を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。CD19はB細胞に発現する細胞膜表面のタンパク質。

開発中の適応症

・Phase 1

CD19陽性のB細胞白血病・リンパ腫(フルダラビンシクロフォスファミドとの併用療法)

CAR-BCMA T cells

B-cell maturation antigen (BCMA)を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。BCMAは成熟Bリンパ球で発現が高い細胞膜表面のタンパク質。

開発中の適応症

・Phase 1

難治性/再発性の多発性骨髄腫(フルダラビンシクロフォスファミドとの併用療法)

最近のニュース:

CAR-GPC3治療を受けた5人の患者さんのうち、1人は部分奏効(PR)、2人が安定(SD)、2人が進行(PD)との報告。(固形ガンへのCAR-Tは今のところこんな感じか)

コメント:

・アメリカのKite PharmaJuno Therapeuticsほどのスピードではないが、中国でもCAR-T治療の治験が進んでいる。固形ガンへの治験がすでに始まっているところが注目点。

キーワード:

・細胞治療(CAR-T療法)

・血液ガン

・固形ガン

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

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