microRNAをターゲット分子とした医薬品を開発中のバイオベンチャー
ホームページ:http://www.miragen.com/
パイプライン:
・MRG-106
合成miR-155アンタゴニスト。LNAという核酸結合能、安定性に優れた人工核酸を用いて作られている(参考1、参考2)(http://bna.jp/technology/bna_technology.html)(http://www.genedesign.co.jp/products/bna2.html)。静脈内投与。miR-155はリンパ液や血液の細胞の分化、機能、増殖に関与しており、miR-155を阻害することでリンパ腫細胞の機能正常化と異常増殖を抑制することが期待される。
開発中の適応症
・Phase 1
・MRG-201
miR-29bをミミックする人工核酸。miR-29bはコラーゲンやその他の線維化を促進するタンパク質の発現を抑制する。現状は皮内投与。Servier社との共同開発。
開発中の適応症
・Phase 1(完了)
皮膚線維症
・MRG-107
miR-155を抑制する人工核酸。筋萎縮性即索硬化症患者さんの脊髄で発現が上がっているmiR-155をターゲット分子とする。miR-155は炎症や免疫反応に関与している可能性がある。
開発中の適応症
・前臨床段階
筋萎縮性即索硬化症(ALS)
・MRG-110
miR-92aを抑制する人工核酸。miR-92aを抑制することで虚血後の血管修復を促進できる可能性がある。
開発中の適応症
・前臨床段階
心不全、その他虚血性疾患
最近のニュース:
・miRagen Therapeutics Presents New Clinical Data Suggesting Positive Impact From Systemically Administered MRG-106 on Mycosis Fungoides Form of Cutaneous T-Cell Lymphoma at EORTC Global Task Force Meeting(2017年10月13日)MRG-106の皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉症)へのPhase 1の中間結果。23人の患者さんのうち22日で改善。
コメント:
・MRG-201は心臓、肺、肝臓、腎臓などの線維症を抑制できる可能性があるが、Pharmacodynamics(PD)、安全性、忍容性をモニターしやすい皮膚の線維化の治験を優先している(生検が採れるメリットがある)。
キーワード:
・核酸医薬品
・microRNA
・人工核酸
・線維症
・血液がん
免責事項:
正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。