top of page
検索

Annexon Biosciences (South San Francisco, CA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第31回)ー


アミロイドβ関連のアルツハイマー病開発品の治験失敗が続きハードルが上がっている中で、神経免疫に着目したアプローチでアルツハイマー病治療薬を創製することを目指すバイオベンチャー

ホームページ:http://www.annexonbio.com/

パイプライン:

ANX005

補体の古典的経路活性化に関わる分子であるC1qに対するヒト化モノクローナル抗体。静脈内投与。

開発中の適応症

・Phase 1

アルツハイマー病などの神経変性疾患

寒冷凝集素症などの自己免疫疾患

ANX007

補体の古典的経路活性化に関わる分子であるC1qに対するヒト化モノクローナル抗体。ANX005との違いは不明。

開発中の適応症

・非臨床段階

緑内障などの眼疾患

最近のニュース:特になし

コメント:

・病理学的解析によると、アルツハイマー病の脳ではシナプスの数の減少が見られている(参考文献)(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2927643)。

・スタンフォード大のProf. Benn Barresらのグループが、C1qがシナプスに蓄積することでシナプスが除去されることを発見し2007年に報告した(参考文献)。また、老化に伴いC1qが脳内のシナプス部に蓄積しシナプス減少を引き起こす(参考文献)ことから、C1qがアルツハイマー病などの変性疾患の原因である可能性があると考えた。

・神経炎症のバイオマーカーも開発中(breadcrumbsという名前)

・ANX005はサルにおいて血中および脳脊髄液中のC1q量を減少させた(参考文献)。

キーワード:

・補体

・神経炎症

・神経変性疾患(アルツハイマー病)

・自己免疫疾患

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

最新記事

すべて表示

Surface Oncology (Cambridge, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第144回)ー

がん微小環境において免疫を抑制している免疫細胞やサイトカインに着目し、抗体医薬品によってがん免疫の抑制阻害する治療薬の創製を目指すバイオベンチャー。パイプラインに多くの候補品を持つ。 ホームページ:https://www.surfaceoncology.com/ 背景とテクノロジー: ・患者さん自身の免疫機能を調節することでがんを治療するがん免疫の領域にはさまざまなアプローチによる新たな治療法が開

Arkuda Therapeutics (Cambridge, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第143回)ー

ライソゾーム機能の低下と神経変性疾患の関係に着目した創薬を行っているバイオベンチャー ホームページ:https://www.arkudatx.com/ 背景とテクノロジー: ・ライソゾームに局在する酵素の欠失によって起こる病気として遺伝子変異疾患であるライソゾーム病が知られているが、最近の研究により神経変性疾患の一部においてもライソゾームの機能異常が原因である可能性が報告されてきている。ライソゾー

Audentes Therapeutics (San Francisco, CA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第142回)ー

希少疾患に対してアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療薬の開発を行っているバイオベンチャー。現在課題となっているAAVの大量製造およびヒトへの高濃度投与に関して先行している。2019年12月アステラス製薬による買収が発表された。 ホームページ:https://www.audentestx.com/ 背景とテクノロジー: ・遺伝子治療のベクターとしてアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクタ

bottom of page