マクロファージの貪食作用を抑制するCD47シグナルを阻害する抗体医薬品で次世代の免疫チェックポイント阻害剤となるか?
パイプライン:
・Hu5F9-G4
抗CD47モノクローナル抗体。CD47はがん細胞の膜表面に発現し、マクロファージが抗原として認識し、がん細胞を貪食するのを防ぐ役割(Don’t eat meシグナル)を持つ。抗CD47抗体であるHu5F9-G4は、CD47(がん細胞がわ)とSIRPα(マクロファージがわ)の結合によるこのDon’t eat meシグナルを抑えることでがん細胞がマクロファージに貪食されるのを促進する。Hu5F9-G4は抗体依存性細胞貪食能(Antibody dependent Cellular. Phargocytosis: ADCP)を促進する活性を持つことから他の抗癌剤との併用により効果が増強される可能性も併せ持つ。そのため非ホジキンリンパ腫治療薬リツキシマブ(抗CD20抗体)や、大腸がん治療薬セツキシマブ(抗EGF受容体抗体)などとの併用療法でも治験が進められている。
開発中の適応症
・Phase 1
固形ガンー単剤療法(Monotherapy)
・Phase 1
・Phase 1 / 2
B細胞型非ホジキンリンパ腫ーリツキシマブとの併用療法
・Phase 1 / 2
直腸結腸がんーセツキシマブとの併用療法
・Phase 1 / 2
急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群ーアザシチジン(骨髄異形成症候群治療薬)との併用療法
最近のニュース:特になし
コメント:
・抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体がT細胞によるがん細胞の認識を促進するのに対し、Hu5F9-G4はマクロファージによるがん細胞認識を促進するという別のメカニズムを持つ免疫チェックポイント阻害剤。
キーワード:
・免疫チェックポイント阻害剤
・抗体医薬品
免責事項:
正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。