top of page
検索

bluebird bio (Cambridge, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第26回)ー


患者さんから取り出した細胞にレンチウイルスベクターで遺伝子導入し、その細胞を患者さんに戻す自家移植細胞治療(CAR-T療法含む)を用いて、ガン・希少疾患の治療を目指すバイオベンチャー。

ホームページ:https://www.bluebirdbio.com/

パイプライン:

Lenti-D Drug Product

患者さん自身の造血幹細胞を取り出し、レンチウイルスを用いて病気の原因遺伝子であるABCD1を細胞に導入する。その後細胞を静脈内投与で患者さんに戻す自家移植細胞療法。

開発中の適応症

・Phase 2/3

LentiGlobin BB305 Drug Product

患者さん自身の造血幹細胞を取り出し、レンチウイルスを用いてヒトβ-globin遺伝子を細胞に導入する。その後細胞を静脈内投与で患者さんに戻す自家移植細胞療法。βサラセミア、鎌状赤血球症はβ-globin遺伝子の異常によって起こる貧血症。

開発中の適応症

・Phase 3

輸血を必要とするβサラセミア

・Phase 1

bb2121

B-cell maturation antigen (BCMA)を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。Celgeneとの共同開発。

開発中の適応症

・Phase 1

最近のニュース:

Lenti-D Drug ProductのPhase2/3中間報告。18人中15人の男児で効果が見られた。

コメント:

・Lenti-D Drug ProductはABCD1遺伝子を導入された造血幹細胞を静脈内投与する。投与された細胞の一部が脳内に移行し、グリア細胞に分化することで、中枢神経系に障害が起こる疾患である副腎白質ジストロフィーに効果を持つと考えられている。

・採用情報のページのタグが”become a bluebird”、”join the nest”となっているのがいいですね。

キーワード:

・細胞治療(CAR-T療法)

・血液ガン

・希少疾患

・鎌状赤血球症

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

最新記事

すべて表示

Surface Oncology (Cambridge, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第144回)ー

がん微小環境において免疫を抑制している免疫細胞やサイトカインに着目し、抗体医薬品によってがん免疫の抑制阻害する治療薬の創製を目指すバイオベンチャー。パイプラインに多くの候補品を持つ。 ホームページ:https://www.surfaceoncology.com/ 背景とテクノロジー: ・患者さん自身の免疫機能を調節することでがんを治療するがん免疫の領域にはさまざまなアプローチによる新たな治療法が開

Arkuda Therapeutics (Cambridge, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第143回)ー

ライソゾーム機能の低下と神経変性疾患の関係に着目した創薬を行っているバイオベンチャー ホームページ:https://www.arkudatx.com/ 背景とテクノロジー: ・ライソゾームに局在する酵素の欠失によって起こる病気として遺伝子変異疾患であるライソゾーム病が知られているが、最近の研究により神経変性疾患の一部においてもライソゾームの機能異常が原因である可能性が報告されてきている。ライソゾー

Audentes Therapeutics (San Francisco, CA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第142回)ー

希少疾患に対してアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療薬の開発を行っているバイオベンチャー。現在課題となっているAAVの大量製造およびヒトへの高濃度投与に関して先行している。2019年12月アステラス製薬による買収が発表された。 ホームページ:https://www.audentestx.com/ 背景とテクノロジー: ・遺伝子治療のベクターとしてアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクタ

bottom of page