アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた神経疾患を対象とした遺伝子治療でPhase 3まで進んでいるバイオベンチャー。抗体、核酸、細胞治療に続くウイルス遺伝子治療の流れを作れるか。
ホームページ:https://avexis.com/
パイプライン:
・AVXS-101
脊髄性筋萎縮症 の原因遺伝子であるSMN遺伝子を発現するAAV9ベクター。静脈内投与から血液脳関門を透過でき、脳内のモーターニューロンに遺伝子導入する。
開発中の適応症
・Phase 3
最近のニュース:
SOD1の遺伝子変異をもつ筋萎縮性即索硬化症(ALS)へのAAV10による遺伝子治療にAveXis社が取り組んでいる。メカニズムはSOD1の発現抑制。
AveXis社はRett症候群の原因遺伝子であるMeCP2を発現させる遺伝子治療に取り組む。
コメント:
・AAVを用いた遺伝子治療薬Glybera(リポ蛋白質リパーゼ欠損症)は治療費が1億円もかかることもあり、たった一人に投与されたのみで販売終了となった(参考)。AveXisのAAVはどうなるのだろうか。
・AAVはセロタイプによって感染する細胞が異なり、AAV9は脳・心臓・肺・骨格筋・肝臓など様々な臓器に遺伝子導入することが報告されている。
・SMAの治験は最近Phase 3に入ったが、ALS(SOD変異型)、Rett症候群の治験についても2017年後半の治験スタートの予定。
・AVXS-101の適応症であるSMAは、Biogenが最近販売を開始した世界初のアンチセンス核酸医薬品SPINRAZAという治療薬が先行している。
キーワード:
・遺伝子治療
・中枢神経疾患
・アデノ随伴ウイルス(AAV)
免責事項:
正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。