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Juno Therapeutics (Seattle, WA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第20回)ー


CAR-T治療、TCR治療に特化したバイオベンチャー。Gileadに買収されたKite Pharmaを追うバイオベンチャーとして着目されている。

パイプライン:

JCAR017

CD19を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。

開発中の適応症

・Phase 1

JCAR014

CD19を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。Durvalumab(PD-L1抗体)(https://en.wikipedia.org/wiki/Durvalumab)との併用療法。

開発中の適応症

・Phase 1

非ホジキンリンパ腫

JCAR018

CD22を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。

開発中の適応症

・Phase 1

非ホジキンリンパ腫

BMCA

B-cell maturation antigen (BCMA)を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。

開発中の適応症

・Phase 1

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03070327

JTCR016

WT1という急性骨髄性白血病、非小細胞肺がんなどのがん細胞に高発現する細胞内タンパク質をターゲットとするT細胞の自家移植細胞治療法(T cell receptor(TCR)を高発現させたT細胞で細胞内タンパク質もターゲットにできる)。

開発中の適応症

・Phase 1 / 2

JCAR023

L1CAM(CD171)という細胞間接着蛋白を認識するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の自家移植細胞治療法。L1CAMは神経芽細胞腫などの固形ガンで高発現が見られる。

開発中の適応症

・Phase 1

JCAR020

卵巣がんで高発現するMUC16という蛋白の細胞外ドメインをターゲットとするT細胞の自家移植細胞治療法。MUC16の切断産物であるCA-125の血中濃度は卵巣がんの進行と相関する。

開発中の適応症

・Phase 1

JCAR024

非小細胞肺がんやトリプルネガティブ乳がんなどのがん細胞で高発現がみられるROR1というタンパク質をターゲットとするT細胞の自家移植細胞治療法。

開発中の適応症

・Phase 1

非小細胞肺がん、トリプルネガティブ乳がん

コメント:

・CAR-T療法ではハードルが高いと言われる固形ガンに対してT cell receptor(TCR)を高発現させたT細胞の移植でPhase1に挑戦している(CAR-Tでの固形ガンもしている)。

・JCAR027はノバルティスのキムリア、Kite Pharmaの axicabtagene ciloleucelと同じコンセプトのCD19をターゲットとするCAR-T療法だが、奏効率が66%と高いのが特長。

・細胞内タンパク質をもターゲットにできるT cell receptor(TCR)を発現するT細胞を用いた自家移植技術を持つ。

キーワード:

・細胞治療(CAR-T療法)

・血液ガン

・固形ガン

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

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