CAR-Tの中枢神経バージョンのような戦略で、患者さん自身の骨髄から取った間葉系幹細胞に特殊な処理をすることで神経栄養因子の放出能が上がった細胞を作り、それを自家移植することで神経変性疾患を治療することを目指すバイオベンチャー。
パイプライン:
・NurOwn(NTF-MSC)
患者さん自身の骨髄から取った間葉系幹細胞に特殊な処理をすることで神経栄養因子の放出能が上がった細胞。この細胞を髄空内投与により自家移植する。CAR-Tとは違い遺伝子導入などは行わず、間葉系幹細胞の培養液を培養途中で変えることで、間葉系幹細胞からBDNF、GDNF、PDGFなどの栄養因子を多量放出する細胞に変える。
適応疾患
・Phase 3
ALS(筋萎縮性即索硬化症)
・前臨床段階
進行性MS(多発性硬化症)
自閉症
最近のニュース:
懸念点を指摘している記事。投与群で副作用(SAE)が多いのは気になるところ。ALSでは症状の進行を抑制するのではなく症状の進行を止める、改善させるくらいの効力が必要とも。
コメント:
・CAR-Tと異なる所は細胞に遺伝子導入していないところと、直接的に疾患にアタックしているわけではなく、細胞が出す神経栄養因子によって治療するというところ(CAR-Tほどの劇的効果は難しい?)。
・間葉系幹細胞は障害部位への遊走性があると言われている。
キーワード:
細胞治療(間葉系幹細胞)
神経変性疾患
神経栄養因子
免責事項:
正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。