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Neuralstem (Germantown, MD, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第15回)ー


神経新生を促す化合物を持つバイオベンチャー。神経幹細胞移植のパイプラインも注目。

ホームページ:http://www.neuralstem.com/

パイプライン:

NSI-189

ターゲット分子は非開示の低分子化合物。神経新生を促す低分子探索から見つかったとされる。適応疾患として下記にあるうつ病以外に、アンジェルマン症候群、認知機能障害、放射線による認知機能障害、糖尿病性神経障害、虚血性脳卒中が検討されている。

適応疾患:

・Phase 2

大うつ病

NSI-566

脊髄由来神経幹細胞の脊髄内移植による細胞治療。

適応疾患:

・Phase 2

筋萎縮性即索硬化症(ALS)

・Phase 1

脊髄損傷(損傷後6ヶ月以上経過)

虚血性脳卒中

最近のニュース:

NSI-189のPhase 2試験の結果。主要評価項目は達成せず。しかし他の評価項目(SDQ)において有意差があった。

NSI-566のPhase 2でALS患者の半数以上において主要評価項目(ALSFRS)の下降傾向を減少させた。

コメント:

・現行のうつ病治療薬であるセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)はその薬理作用から急性効果が期待されるはずが、効果出現に数週間を要することが多い。そのため、SSRIに他の作用メカニズムがあることが考えられた。その一つが海馬歯状回における神経新生を促す作用である。NSI-189はその神経新生を促す作用を持つ化合物としてフェノタイプベース創薬によって創製された。

・脳腫瘍などの放射線治療を行うと増殖する細胞ー神経幹細胞などに障害が起こる。放射線治療に伴う認知機能障害が神経幹細胞に対するダメージによって起こっている可能性があり、NSI-189がその治療薬となる可能性がある。

・Neuralstem社はNSI-189の作用機序を明らかにしていないが、グルココルチコイド受容体阻害という話もある(真偽は確かではない;参考)。

・NSI-566はALSのPhase 2でポジティブな結果が出ており(参考)、今後、他の神経変性疾患への治験も期待される。

キーワード:

神経新生

神経幹細胞

うつ病

細胞治療

ALS

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

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