革新的な新薬とは?
- 2017年6月6日
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日本の薬価制度をどうするか?について経済財政諮問会議で議論されていたそうです。その中で「新薬創出加算」をどうするかについて話し合われたそうです。新薬創出加算とは
革新的な新薬の創出や適応外薬等の開発を目的に、 後発品のない新薬で値引率の小さいものに一定率まで の加算を行うもの(出典:厚生労働省HP)
です。で、今までは例え同じ分子をターゲットとする薬でも別の化学構造をしていれば新薬として新薬創出加算がつくことが多かったのですが、この方針が変更になりそうな流れです(こちら)。
まあ革新的医薬品じゃなくても革新的薬扱いは確かにおかしいとは思います。しかし、
じゃあ革新的医薬品って何?
っていうのが結構難しいなと思います。最近ではオプジーボやソバルディ、ハーボニーとかが革新的医薬品であることは間違いありません。何を持って革新的医薬品とするかの定義は今後決められていくのでしょうが、私は
今までになかった臨床上の価値をもたらした医薬品こそ革新的医薬品
だと思います。新規ターゲット分子に対する薬だったとしても、臨床で既存薬との違いが見られない薬は革新的医薬品とは言えないと思いますが、どうなるんでしょうか?(創薬研究者の立場からすれば、新規ターゲット分子で薬に出来ただけでもすごいことだと思いますが)やはり
臨床上の価値(既存薬に対する優位性)を測ること
が必要になると思います。すでにヨーロッパでは、治験の中で既存の第一選択薬との比較試験を行い、そこで明らかな優位性が示せないと、新薬扱いの薬価はつきません。今後は世界各国がこの方向性に収斂していく可能性が高いのかなと思います。
それでもなお、革新的な新薬とゾロ新を分けるのは難しいなと思います。例えば花粉症治療の抗ヒスタミン薬の場合、アレグラのように眠気はないけど効果が弱い薬で十分な人もいれば、アレロックのように眠くなるけど効果が強い薬じゃないと抑えられない人もいます。他の薬でも同様で効果や副作用には個人差があります。これらは最初の抗ヒスタミン薬じゃないから、どちらもゾロ新?それとも眠気の注意書きがない(脳への移行性が少ない)アレグラは革新的新薬?私には分かりません。いずれにせよ、それぞれの薬がフィットしている患者さんがいるのは確かです。医薬品を作るコストの上昇でどの国も苦しんでいる医療費高騰。果たしてどうなっていくのでしょうか?
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