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産学連携の難しさ


日本の国家財政が厳しい状況が続いているため、大学の科学研究費捻出が難しくなってきています。資源を持たない日本でグローバルに戦うためには、科学技術力で勝負するしかないので、このままではまずいです。そこで企業のお金を大学に流そうという流れになっています。いわゆる

産学連携

というやつです。薬作りの難易度が高度化していく現状のため、多くの製薬会社は大学の科学力を必要としています。そのため産学連携は積極的な方だろうと思います。そして、産学連携の結果生まれた薬としてアクテムラやオプジーボがあります。こんなに画期的な新薬が出てるんだから、これからもどんどん進めていくべきだと思います。しかし、産学連携の現状はいろいろ大変そうです。なぜなんでしょうか。

私は、大学と製薬会社の関係って男女の関係みたいだなって思います。

お互いの気持ちをちゃんと相手に伝えられずにすれ違う二人。

根本的に、大学と製薬会社は向かっているゴールが違うのでなかなか分かり合うことができません。大学の研究者が欲しいのは「研究費とハイインパクトな論文」。一方の製薬会社が欲しいのは「自社しかもたない情報・技術」そしてその先にある「薬」。これらは相反している部分があるため、いつまで経っても分かり合えない。

それだけじゃありません。この産学連携の多くは「共同研究」としています。にも関わらず、多くのその実態は「受託研究」か「技術移転や知財移転」です。自社では創薬ターゲットが見つけられないとか技術開発できないから大学にお願いしているんです。それ自体は仕方ありませんが、そうである以上、大学からすればお金以外に旨味がありません。共同研究と銘打つ以上、製薬会社は自社の強みを活かして相手の研究にも貢献するぐらいのことができないと、ただのおんぶにだっこです。これが製薬会社がヒモになっているケースです。

逆に大学がヒモになって、製薬会社に貢がせている産学連携も未だにあります。立場が弱い製薬会社は言いたいことが言えずにただお金を取られるだけ。それでコネクションを維持したいという場合は全然良いのですが、ホントは手を切りたいのに切れないみたいな、そんな良くない男女関係みたいな話もあります。

あとこれはちょっと言いにくいですが、意外と多いケースとして、大学が見つけた非常に面白い知見を元に創薬しようと始めた共同研究だったけど、実際に製薬会社側が手を動かしてみたらその知見自体がきっちり再現しないということがあります。研究の再現性は難しい場合もありますが、さすがに共同研究しても再現しないのはちょっと困ります。

こんな感じで色々困難がある産学連携。当たれば大成功ですから、ゴールインできる共同研究が一つでもたくさん生まれることを願っています。大事なのはお互いに相手を思いやる気持ちでしょうか(笑)。

参考になれば幸いです。ご質問ご意見はお気軽にkenyoshida36@gmail.comまたは下のコメント欄まで。

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