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R&D生産性は平均以下


日本最大手製薬会社の研究所改変がいろいろ波紋を広げています(詳しくはこちら)。記事の中で最も衝撃的なのは

「わが社のR&Dの生産性は平均以下だ」

という発言です。記事によると海外製薬大手出身で現在は日本最大手製薬のR&D部門トップの発言らしいですが、部外者の私から見て「やっぱり」という感じはあります。海外製薬から見れば、日本の製薬の多くはパフォーマウス不足と映るでしょう。

このままでいいのか?日本の創薬。

ここの研究所は日本の中でもトップレベルの人材が集まっているはずです。そんなところでさえ、この言われ様。こんなにみんな働き者なのに(まあ長時間働けば良いって発想も良くないんですけどね)。

でもこれって、今の日本の会社全体の問題点と言ってもいいんじゃないかな?と思います。つまりこの会社だけの問題でもなく、製薬業界だけの問題でもなく、日本の会社の多くが同じ病気にかかっているんじゃないかと。その病気の原因は、きっと

「変化を嫌う硬直性」。

これが日本の会社の低生産性の元凶じゃないかなと私は考察してます。自分たちが得意な疾患領域だからと言って、すでに良い治療薬がある疾患領域でさらに新しい薬を作ろうとする。これまで良い薬を作れた方法と同じアプローチ方法がベストだ!という考え方を持ち、そのやり方に固執して薬を作ろうとする。伝統を重んじる気質。その間に世界の創薬では大きなパラダイムシフトが起こり、日本の製薬は世界の流れについていけなくなる。その結果が生産性の低下。要は、研究者にあるまじき

「思考停止」。

しかし、これらの結果として、日本最大手の製薬会社が研究所機能の多くを海外に移してしまう方針は日本人から見ると危機感を感じます。これからの創薬研究者に求められる資質の一つは、常に新しいことに挑戦し続ける、常に生産性向上のための改善を続けることが重要だと思います。

極論を言うと、海外の研究者は機敏に動くことを嫌う怠け者が多いです。そこで彼らが考えるのが、

「どうしたら怠けられるか?」

その考え方が生産性の向上に役立ってるんじゃないかなと思います。日本人は勤勉で怠け心を戒めるカルチャーがありますが、これは体を動かすという視点だけです。海外の研究者たちは体を動かすことには怠けるけど、その代わりに頭を動かします。

多くの日本人は肉体労働に対しては働き者だけど、頭を動かすことに対しては怠け者だ

と思います。

もっとずる賢くなれ!

ということです。私はサッカー詳しくありませんが、サッカーの世界ではこういうことをよく「マリーシア」って言うらしいですね(参考)。もしこのブログを読んでくださっている就活生や若い創薬研究者の人たちがいたら、考えてみてもらえると嬉しいです。

参考になれば幸いです。ご質問ご意見はお気軽にkenyoshida36@gmail.comまたは下のコメント欄まで。

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