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2016年の製薬会社世界売上げランキングを見て思うこと


先日、世界の製薬会社の2016年売上高ランキング速報版(推定含む)が発表されました(こちら)。ファイザーが1位に返り咲いたとかはありますが、上位はそんなに驚きなく、という感じです。

海外製薬企業の中ではBMS(ブリストル・マイヤーズスクイブ)がオプジーボの売上拡大で大きく伸びていますね。目立つ企業の宿命ではありますが、上位製薬からの買収の対象とされているとの報道もありました。セルジーンとかも伸びてきてて、良い薬を生み出すサイクルが作れているのがうかがえます。私が注目してしまうのはやはり、

日本企業の動向

ですね。暫定順位ですが、武田薬品で17位相当、アステラス製薬が20位相当になるとのことです。数年前まで10位くらいだった武田がこんな順位だし、国内では武田との2強時代と言われるアステラスも順位も売上も下げてるのは気になるところです。ギリアドとかバイオジェンみたいに伸びてる会社も、今のところ日本の製薬会社には無さそうです。

このところの医薬品売上げランキング見てると、抗ガン剤とか抗リウマチ薬が多いです。そして、これらの薬を作れてる日本の製薬会社は少ないです。ちょっと前のブログ記事でも書きましたが、

抗ガン剤とか抗リウマチ薬はサイエンス力が必要とされる領域

になってきています。必要なサイエンス力は主に以下の2つ

・疾患の科学的理解からターゲット分子を導き出すサイエンス力。

・そのターゲット分子に特異的に結合できる医薬品(低分子でも抗体でも)を作れるサイエンス力。

これらのサイエンス力がないと、これらの疾患領域では薬を作ることが難しくなってきています。日本の製薬会社のほとんどは、現状これらの疾患領域の世界的競争についていけていない。それが如実に表れてきているランキングだなと思います。

今はサイエンス力を持つ欧米のバイオベンチャーを買収するという手に出ている会社が多いですが、短期的にはそれも必要かと思いますが、長期的な視点に立つと

自社のサイエンス力向上

が最も重要なのでは?と思います。そのためには

・もっとサイエンス力に力点を置いた採用活動

・過去の創薬経験からの脱却

じゃないかなと思います。ちょっと毒を吐かせてもらうと、

コミュニケーション力とか英語力とかも良いけど、そんな人材ばっかり採用してるからサイエンス力が磨かれないんじゃないの?

って思います。あと、外から見ててうまく行ってない感じがする会社って何となく、過去にブロックバスターを出した会社が多い気がします。これも以前のブログにも書きましたが、

創薬のやり方が変わってきてるのに、いつまでもブロックバスター作った経験に頼ってちゃだめなんじゃないの?

って思います。以上、今回はちょっと毒吐き過ぎて失礼しました(^^;)。これも日本の創薬の未来を思っての戯れ言ですので大目に見てもらえると嬉しいです。

参考になれば幸いです。ご質問ご意見はお気軽にkenyoshida36@gmail.comまたは下のコメント欄まで。

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