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出遅れた日本の製薬会社が取るべき道?


前回のブログで示したように、日本の製薬会社は最先端科学技術による創薬という世界の流れに出遅れました。

じゃあこれで負け決定?

私はそうは思いません。前回のブログのように今一番熱い疾患領域は

「ガン」と「免疫」

この領域で勝負するのはなかなか大変です。確かにこの疾患領域でも頑張っている日本の製薬会社もあります。しかし、開発途中の薬の数まで含めてみると、この疾患領域で世界上位の製薬と勝負するのはなかなか難しそうです。

でも他の疾患領域は、まだまだ科学的な解析が進んでいません。確かに遺伝子解析などの網羅的解析に相性が良かったのがこの2つの領域なんでしょう。しかし、他の疾患領域でも最先端科学でいろいろ明らかにできる領域はあるだろうと思います。ただ、進んでいない疾患領域の中には進んでいないのにはちゃんと理由があるところもあります。

例えばアルツハイマー病。

アルツハイマー病の原因は多くの研究成果が出され、アミロイドβとタウによる神経細胞死が原因で認知機能が低下しているというのが今の主流の考え方です。そこでアミロイドβの産生を抑制するγセクレターゼ調整剤やβセクレターゼ阻害剤、アミロイドβの分解を促進するアミロイドβ抗体、タウの分解を促進するタウ抗体などで原因物質であるアミロイドβ、タウを低下させれば治療できると考えられました。アミロイドβやタウが神経細胞に毒性を持つメカニズムやタウの過剰リン酸化メカニズムなど、様々なことが分かってきて、アルツハイマー病治療薬が作れるのも時間の問題と思われました。しかし、γセクレターゼ阻害剤、βセクレターゼ阻害剤、アミロイドβ抗体、タウ抗体どれも臨床試験では成功していません。ちゃんとアミロイドβの量を下げても、認知機能は改善しなかったのです。現在の科学で徹底的に調べられたアルツハイマー病の原因でしたが、どうやら原因となる現象が起きてから病気が発症するまでが長く、発症してから原因を叩いても時遅しなのかもしれません。この辺はまだ推測ですが。で、これから原因から発症までの流れを科学的に解明することが必要です。まだまだ治療薬を作るチャンスがあるということです。

まあそんな感じで、もちろんイージーに薬作る方法は残されてはないんだけど、まだまだ追い上げのチャンスはたくさんあると思います。日本の製薬会社の創薬力が上がって、世界の医療に貢献できるように、私も頑張ります!

ご質問ご意見はお気軽にkenyoshida36@gmail.comまたは、下のコメント欄まで。

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