今日は研究でもビジネスでも大事な
ユニークさ
について書きたいと思います。最後に今の製薬業界をぶった斬ります(何の実績もない奴が偉そうに)。
ちょっと時期遅れ的な話題になっちゃいますが、東工大の大隅良典栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されましたね。その記者会見の時に、オートファジーに取り組もうと思った理由として、
他の人が誰もやってないから
というような話をされていました。これって研究者なら目指すべき当たり前の話かもしれないんですが、とっても難しいんですよね。というのも、流行っている研究領域は
情報量、ツールが豊富だし、結果が注目されやすく、論文のインパクトも上がる傾向があり、研究費も取りやすい、研究職ポストも取りやすい
と良いことがいっぱいある訳です。悪いこととは
競争率が高く、ライバルに出し抜かれてしまうことがある
というところでしょうか。今であればiPS細胞の分野がこんな感じではと思います。
他の人がやっていない研究領域の場合はこの逆が当てはまります(情報量が少なく、論文のインパクトが下がり気味、競争率は低いなど)。自分でその研究領域を開拓して、多くの人に興味を持ってもらって一大分野を作り上げるのはすごいことだけど、特に最初は大変だろうと思います。だからこそノーベル賞なんですけどね(^^)。
振り返って製薬業界を見てみると今流行っているのは
抗体医薬品、ガン(特にガン免疫)
とかですね。どこの会社もやってます。確かにPD-1抗体はいろんなガンに効くし、非常に魅力的ですが、PD-L1抗体やCTLA4抗体も含めると、すでに競争率が高く、有名税かもしれませんが、薬価高騰の的にされている感じもあります。最初にガン免疫分野を開拓した本庶先生やメダレックス社(PD-1抗体の開発を最初に乗り出した会社)はすごいと思いますが。。。
海外大手製薬企業、国内大手製薬企業、どこをみてもガンが最重要な領域としてやってます。こういう場合、たしかにガンという病気の治療薬を増やすという意味で非常にいいことではありますが、上記のPD-1抗体の例でもそうであるように競争率が高く、思ったほど儲からないかもしれないし、レベル高すぎてついていけない会社も出てくるのでは?と思います。
だから、そんな競争率の高い領域は資金力に勝る海外大手に任せておいて、国内製薬会社はもっと違うところに注力した方がいいと思ってます。というか、そうするのがビジネスの基本じゃないかなと思うんですが。。。。
じゃあどの領域がいいか言ってみろよ!とおっしゃられるかもしれないんで(だれも言わないか(^^;))、私の意見を言いますと、
感覚器領域、特に目、耳に関する疾患
が良いのではと思ってます。緑内障、加齢黄斑変性症、難聴、めまい(メニエール病含む)など、高齢化やストレスで患者さんが増えている疾患ですし、罹患するとQOLが著しく下がります。治療薬が少なく、あっても古い薬が多いのもあります。命に関わる疾患が少ないので今まで見過ごされてきたニーズじゃないかなと思いますが、皆さんはどう思われますか?
ご意見ご感想いただけると嬉しいです。ご質問も含めkenyoshida36@gmail.comまで。