人間は石器時代から集団生活をして暮らしてきました。集団生活の中では、数家族が共同で子育てをし、狩りをし、家事をしていたと考えられています。現在の進化学では、人間の進化は石器時代のころからそんなに変化していないと考えられています。人間の感情もその集団生活の時代の頃に適応した状態が現在も続いていると考えられています。そのため、人間は周りの人との集団生活を円滑にするため、周りの人の感情に注意を払います。現代の「空気を読む」とか「KY」とかもその頃に獲得した進化形質が強く受け継がれている証拠だと言われています。
前置きが長くなりましたが、以上の理由から
人は周りの人の感情に興味を持ちます。
研究は客観的で論理的であることが重要なので、研究プレゼンはあまり感情を出さずにやった方がいいと思っている人が多いような気がします。しかし、研究プレゼンでも、
・自身の研究のどこが面白いと思っているのか
・自身の研究成果によってどんな未来が考えられるか
・自身の研究を今後どんな風に進めていきたいのか
などを感情を絡めて話すと、聴衆は興味を持ちます。逆に言うと、感情のみえないプレゼンでは、人は興味を持たず、だんだん集中力が落ちて、終わったあとには何も覚えていません。あなたがどうしてその研究を好きなのか?を感情を込めて話せば、人の心を動かします。石器時代からプレインストールされている形質ですから。もちろん結果が出なくてがっかりしたことをさらっと触れて笑いを取るのも聴衆を惹きつける方法だと思います。
ご質問はお気軽にkenyoshida36@gmail.comまで。