2017年11月23日2 分

Spark Therapeutics (Philadelphia, PA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第27回)ー

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝性網膜ジストロフィーに対する治療に取り組むバイオベンチャー。FDAからウイルスによる遺伝子治療の初承認を受ける見通しで注目を浴びている。

ホームページ:http://sparktx.com/

パイプライン:

LUXTURNA (voretigene neparvovec)

ヒトRPE65遺伝子を発現するAAV2ベクターを網膜下に直接注入する手術で投与。

開発中の適応症

・承認申請済

RPE65遺伝子の変異による遺伝性網膜ジストロフィー(網膜色素変性症レーバー先天性黒内障

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00999609

SPK-7001

Rab escort protein 1をコードするヒトCHM遺伝子を発現するAAV2ベクターを網膜下に直接注入する手術で投与。

開発中の適応症

・Phase 1 / 2

コロイデレミア(CHM遺伝子の先天性変異によって起こる網脈絡膜変性疾患)

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02341807

SPK-8011

血液凝固因子の第VIII因子を発現するリコンビナントAAVベクター。静脈内1回投与。

開発中の適応症

・Phase 1 / 2

血友病A(血液凝固因子の第VIII因子をコードする遺伝子の変異によって起こる)

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03003533

SPK-9001

野生型の血液凝固第IX因子の8倍の活性を持つ第IX因子Padua導入遺伝子(R338L)を発現するリコンビナントAAVベクター静脈内1回投与。ファイザー社との共同開発。

開発中の適応症

・Phase 1 / 2

血友病B(血液凝固因子の第IX因子をコードする遺伝子の変異によって起こる)

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02484092

最近のニュース:

・LUXTURNA (voretigene neparvovec)のPhase 3結果は2017年7月にLancetに報告された(参照)。日本語の紹介記事はこちら

遺伝性疾患も遺伝子治療で改善する時代に突入…視力が劇的に回復(Business Journal)

・Spark社とは別のグループ(おそらく)によるコロイデレミアへの遺伝子治療のLancet論文(こちら)、そしてその日本語紹介記事(遺伝子治療による盲目治癒の可能性

コメント:

・LUXTURNA (voretigene neparvovec)はuniQure社のGlyberaと同じく1億円(両眼の場合)。LUXTURNAは効果高そうだが同じ轍を踏むことにならないといいが。。。

キーワード:

・遺伝子治療

・希少疾患

・眼疾患

・アデノ随伴ウイルス(AAV)

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

#ベンチャー調査 #製薬 #研究

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