2017年10月5日2 分

Palleon Pharmaceuticals (Waltham, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第18回)ー

第二世代の免疫チェックポイント阻害薬創製を目指すバイオベンチャー

ホームページ:http://palleonpharma.com/

パイプライン:現在のところ治験中のプロダクトはない

背景とテクノロジー:

・現在の第一世代免疫チェックポイント阻害薬(PD-1抗体、PD-L1抗体など)は多くのガン種に効く画期的な治療薬だが、効果がある患者さんは全体の2~3割程度と言われている(理由は明らかではない)。

・Palleon社は第一世代免疫チェックポイント阻害薬で効果がない患者さんにも効く第二世代免疫チェックポイント阻害薬の創製を目指している。

・ガン細胞は細胞表面にグリカンという糖タンパク質をたくさん発現しており、これが免疫細胞ががん細胞に反応することを妨げている(免疫抑制)。

・そこで免疫細胞が糖タンパク質を認識する機構を阻害することで、新たながん免疫を活性化する薬を作るという糖タンパク質チェックポイント阻害というストラテジー。

最近のニュース:特になし

コメント:

・すでに武田やAbbVie、Pfizerなどのベンチャーファンドから支援を受けている。

・このコンセプトの場合、バイオプシーサンプルがあれば、糖鎖の状態をチェックすることで効く患者さんの事前診断が可能かもしれない。

・第一世代免疫チェックポイント阻害薬とコンビネーション投与で相乗効果がでれば素晴らしいが、可能性はあるのでは。

・構築したプラットフォームを活用して、ガン以外の感染症や神経変性疾患へも領域拡大していく野心があるよう。

・糖タンパク質の発現が多いガン細胞のがん患者さんはどれくらいいるのかが大事だと思う。

キーワード:

がん免疫

糖鎖

免疫チェックポイント阻害薬

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

#ベンチャー調査 #製薬 #研究

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