Alnylam Pharmaceuticals (Cambridge, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第7回)ー
- Ken Yoshida
- 2017年8月14日
- 読了時間: 3分
Ionis Phamaceuticalsと核酸医薬品2強の一角を担う。
ホームページ:http://www.alnylam.com/
パイプライン:
・patisiran(ALL-TTR02)
トランスサイレチンに対するsiRNA。トランスサイレチンの産生を抑制する。
適応症:
Phase 3
・fitusiran (ALN-AT3SC)
アンチトロンビンも対するsiRNA。アンチトロンビンの発現を抑制することでトロンビン他血液凝固因子の量・活性を高める。Sanofi Genzyme社との共同開発。
適応症:
Phase 2
・givosiran (ALN-AS1)
aminolevulinate synthase-1 (ALAS-1)に対するsiRNA。ALAS-1の発現を抑制する。
適応症:
Phase 1
・inclisiran (ALN-PCSSC)
前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)遺伝子に対するsiRNA。PSCK9抗体エボロクマブ(Evolocumab)の核酸医薬バージョン。
適応症:
Phase 2
家族性高コレステロール血症(100万人に1人発症という希少疾患。LDL受容体変異による)
・ALN-GO1
ヒドロキシ酸オキシダーゼに対するsiRNA。ヒドロキシ酸オキシダーゼの発現を抑制することで、グリコール酸からグリオキシル酸への代謝を抑制し、グリオキシル酸の蓄積を抑制する。
適応症:
Phase 1/2
原発性高シュウ酸尿症。肝臓の細胞のペルオキシソームにグリオキシル酸が蓄積することによって起こる。
最近のニュース:
IncrisiranのPhase2試験結果報告。「肝でのPCSK9 mRNA合成の阻害は、PCSK9を標的とするモノクローナル抗体に代わる治療薬となる可能性があり、注射負担はほぼ確実に軽減されるだろう」
fitusiranのPhase2試験結果報告。Rocheの血液凝固第 VIII 因子の機能を代替 する作用を有するバイスペシフィック抗体Emicizumab(https://en.wikipedia.org/wiki/Emicizumab)がPhase3でポジティブな結果を示しており、ライバル(しかし、現行治療であるタンパク製剤や抗体製剤より簡便になる可能性が高い)。
コメント:
・核酸医薬品は化学合成で作れるので抗体よりは製造しやすい。inclisiranのように抗体治療の代替品とする戦略は良いかもしれない。
・前回のIonis Pharmaceuticalsと同じ希少疾患を適応疾患とする薬が多く、核酸医薬品が狙える疾患は意外と限られるのだろうか(「核酸医薬品の特長を活かす→遺伝子疾患→Phase3で有意差が出せる患者さんのエンロールメントができる疾患」となると自ずと狙える疾患は限られてくるのだろうか)。
・核酸医薬品は肝臓に集積しやすいために肝臓に関連する疾患が多い(現状の核酸医薬品の技術的限界?)。
・核酸医薬品の特許独占により、核酸医薬品市場はIonisとAlnylamの2強が独占状態(たよぴ〜ぬさんツイート参照)。
・Alnylam社はN-アセチルガラクトサミンという糖鎖をsiRNAの末端に修飾することで、キャリアなしで投与でき、また細胞への導入効率を上昇させた。
キーワード:
核酸医薬品
siRNA
希少疾患
免責事項:
正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。