top of page
検索

Protagonist Therapeutics (Newark, CA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第4回)ー

更新日:2022年6月5日


経口投与できるペプチドをデザインする技術を持つベンチャー。現在抗体医薬品で治療されている疾患に対し、この技術で治療薬を作ることで差別化を狙う。

ホームページ:http://www.protagonist-inc.com/

パイプライン:

PTG-100

α4β7インテグリン アンタゴニスト。武田薬品(ミレニアム)が創製したα4β7インテグリン 抗体エンティビオ(vedolizumab)の中分子バージョン。経口投与。

適応症は

Phase2b

炎症性腸疾患(IBD)の潰瘍性大腸炎

PTG-200

IL-23受容体アンタゴニスト。Janssen Biotechと共同開発。経口投与。(IL-23抗体は尋常性乾癬の治療薬としてSun Pharmaceuticalsが開発中。IL12&23アンタゴニストUstekinumabはヤンセンの乾癬およびクローン病治療薬)。

適応症は

前臨床段階

炎症性腸疾患(IBD)のクローン病

PTG-300

ヘプシジンというペプチドのペプチドミメティックス(ペプチド模倣薬)。これは経口ではなく注射剤。ヘプシジンは内在性生理活性ペプチドで、鉄が過剰になった時に産生されて生体内の鉄蓄積を抑制する。

適応症は

Phase 1

などの鉄蓄積過剰に関係する疾患

最近のニュース:

IronwoodとProtagonistが両社の技術での共同研究を行う

Johnson & JohnsonがPTG-200を共同開発

コメント:

・経口投与できるペプチドミメティックスを探索する技術を持つ(ペプチドケミストリー、ファージライブラリー、in silicoドラッグデザイン)

・他社が抗体医薬品でPOC studyを行ったターゲット分子に対して、同じターゲット分子に作用させるペプチドミメティックスを作り、薬にする戦略

キーワード:

・ペプチドミメティックス

・in silicoドラッグデザイン

・消化器疾患

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

最新記事

すべて表示

Arkuda Therapeutics (Cambridge, MA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第143回)ー

ライソゾーム機能の低下と神経変性疾患の関係に着目した創薬を行っているバイオベンチャー ホームページ:https://www.arkudatx.com/ 背景とテクノロジー: ・ライソゾームに局在する酵素の欠失によって起こる病気として遺伝子変異疾患であるライソゾーム病が知られ...

Audentes Therapeutics (San Francisco, CA, USA) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第142回)ー

希少疾患に対してアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療薬の開発を行っているバイオベンチャー。現在課題となっているAAVの大量製造およびヒトへの高濃度投与に関して先行している。2019年12月アステラス製薬による買収が発表された。...

bottom of page