プレゼンをする時に最も重要なことの一つに
相手の興味を知る
ということがあります。どんなにすばらしいプレゼンでも相手の興味のない話では意味がありません。
私が、とある研究所で働いていた時のことです。プレゼンのやり方を教えてくださる講師の方をお招きして、講義を聞きました。研究所に来ている訳ですから聴衆は研究者です。しかし、その講演は営業職を対象としたプレゼンのやり方の講義でした。そんなこととは知らずに参加した聴衆は当然不満を持ち、質疑応答では、「ではその営業のプレゼンを研究者が活かすにはどうしたらいいのか?」という類の質問がたくさん出て、予想外のことに講師の方は対応に四苦八苦でした。あとから伺うとこの講演をセッティングした研究所のトップは、研究者にも営業のプレゼンノウハウを勉強して活かして欲しいとの意図があったそうです。この意図が伝わっていなかったことは問題ではありますが、一番の問題は講師の先生が、聴衆に対し営業向きのプレゼンの話しかしなかったことです。聴衆は研究者なのですから、研究者のプレゼン方法と比較し、
「営業のプレゼンはこうである、でも研究者でも営業のプレゼンからこういう点は学ぶことができる」
などの形で提案すべきだったと思います。聴衆が、今自分が持っている課題を解決してくれるプレゼンを期待するのは当たり前です。その聴衆の興味を理解してプレゼンする必要があります。
就活で言えば、例えば研究領域です。
私の専門の製薬業界の話になってしまいますが、最近は「がん」の治療薬開発に力を入れている製薬企業が多いです。これは
・この領域の薬のニーズが高い
・未だ十分効果的な薬が作られていない
ということがあるからだと思います。逆に高血圧や高脂血症の薬はすでにいい薬があり、この領域の話をしても興味を持つ企業は多くありません。感染症では抗生物質の話をしても興味を持つ会社は少ないでしょうが、ワクチンであれば興味を持つ会社は出てくるでしょう。
相手の興味を把握した上でプレゼンする
大事なことです。企業研究の必要性はそのためでもあります。猫相手には物理の話より魚の話をしてあげましょうということですね。
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