top of page

Prana Biotechnology (Parkville, Victoria, Australia) ー元製薬研究員ケンのバイオベンチャー探索(第10回)ー

  • 2017年8月27日
  • 読了時間: 2分

Metal-Protein Attenuating Compoundsという体内の金属イオンをコントロールする化合物ライブラリーを持ち、これら化合物ライブラリーの中からアルツハイマー病などの神経変性疾患治療薬を創製することを目指すバイオベンチャー

ホームページ:http://pranabio.com/

パイプライン:

PBT2

亜鉛イオン、銅イオンのイオノフォアとなる化合物。亜鉛イオンと銅イオンがグルタミン酸神経の興奮とともに細胞外に放出されると、アミロイドβ蓄積を促進するという仮説の元に、両イオンに結合し除去することでアミロイドβ蓄積を阻害する。

適応疾患:

・Phase 2b

アルツハイマー病

・Phase 2a

ハンチントン病

PBT434

鉄イオンに結合する化合物。パーキンソン病の原因物質と考えられているαシヌクレインの凝集に鉄イオンが介在するという仮説のもとに、鉄イオンと結合し除去することでαシヌクレイン凝集を阻害する。

適応疾患:

・前臨床段階

パーキンソン病

PBT519

詳細は不明

適応疾患:

・前臨床段階

脳腫瘍

最近のニュース:

パーキンソン病の消化器系の神経変性に対するPBT434による治療に関して 、武田薬品と共同研究開発契約締結。Takeda Pharmaceuticals International(日本の武田薬品ではなく)との契約のためか、日本語でのプレスリリースは見つからなかった。PBT434について2017年後期にPhase1を始める予定とも。

コメント:

・PBT2はアルツハイマー病を適応疾患としたPhase 2aの12週投与の試験結果でポジティブな結果が出ており、Phase 2bの結果が期待される。Phase 2aでは、Neuro-psychological Test Batteryで実行機能の有意な改善が見られ、脳脊髄液中のアミロイドβ42量の減少も見られている(参考)。

・Metal-Protein Attenuating Compoundsという化合物ライブラリーを持つことがウリ。

・金属イオンと神経変性疾患というのはそれほどメジャーな仮説ではないが、それだけに独自性のあるバイオベンチャーと言える。

キーワード:

金属イオン

神経変性疾患

免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対しても元製薬研究員ケンは責任をとれません。よろしくお願いします。


 
 
 

最新記事

すべて表示
AI創薬のボトルネックはどこにあるのか?──ヒト生物学AIと次世代バイオベンチャー

Claude Mythosなど革新的AI技術に注目が集まるなか,AI創薬の現状について生成AIにまとめてもらいました。 私:AI創薬は従来の創薬の最大のボトルネックであるヒト生物学のブラックボックスを明らかにできる可能性がありますが,どのようなアプローチがあるのでしょうか?まとめてください 生成AI:AI創薬が本質的に狙っているのは、「ヒト生物学のブラックボックス(=ヒトで何が効くか分からない問題

 
 
 
神経炎症創薬の現在地:ターゲットと層別化の統合戦略

中枢神経系疾患に対して神経炎症仮説に基づいた創薬が進められていますが,その現状と課題について生成AIにまとめてもらいました。 私 :疾患に関与していると考えられている神経炎症のメカニズムについて解説してください 生成AI :神経炎症(neuroinflammation)は、単なる「炎症」ではなく、中枢神経系(CNS)特有の細胞構成とバリア機構の中で起こる、かなり複雑な反応です。疾患との関係を理解す

 
 
 
再生医療はどこまで治せるのか?iPS細胞と生体内再生の最前線と限界

iPS細胞の臨床応用が進んできている中,iPS細胞,生体内再生技術などの再生医療の今後について生成AIにまとめてもらいました。 私 :iPS細胞から分化させた細胞を用いた疾患治療方法について,細胞の種類で分類し,疾患と紐付けてまとめてください 生成AI :iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた治療は、「どの細胞に分化させるか」で適応疾患がかなり明確に分かれます。以下に細胞タイプ別 → 主な対象疾患

 
 
 

コメント


bottom of page