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Virios Therapeutics (Alpharetta, GA, USA) ーケンのバイオベンチャー探索(第199回)ー


単純ヘルペスウイルス1型の再活性化と増殖を抑えることで、線維筋痛症・過敏性腸症候群・慢性疲労症候群の治療法開発を行っているバイオベンチャー。線維筋痛症に対するPOC試験において効果が示されている。


ホームページ:https://www.virios.com/


背景とテクノロジー:

・線維筋痛症、過敏性腸症候群、慢性疲労症候群は、以下のように治療法が確立されていない疾患である。

線維筋痛症ー原因不明の全身の疼痛を主症状とする疾患。原因は不明であるが、遺伝的要因と環境要因の組み合わせが関与していると考えられている。遺伝的要因は現在のところ不明であるが、おそらく多遺伝子性と考えられている。5-HT2A受容体102T/C多型を有する患者さんは、線維筋痛症を発症するリスクが高いことが明らかにされている。環境要因には、心理的ストレス、外傷、および特定の感染症が含まれる。痛みは中枢神経系のプロセスに起因しているようであり、この疾患は「中枢性感作症候群」と呼ばれている。デュロキセチン、ミルナシプラン(以上セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、またはプレガバリン(電位依存性カルシウムチャネルのα2δリガンド)などの神経因性疼痛治療薬が使われることがある。

過敏性腸症候群ー根本的な障害の証拠を伴わない、腹痛および排便パターンの変化を含む一連の症状。原因は不明であるが、仮説としては、腸-脳軸の問題、腸管運動障害、疼痛過敏症、小腸内細菌の過剰増殖を含む感染症、神経伝達物質、遺伝的要因、食物過敏症などの組み合わせが挙げられている。ジシクロミンなどの抗けいれん薬および抗うつ薬が使われることがある。 抗うつ薬に関しては、選択的セロトニン再取り込み阻害薬および三環系抗うつ薬の両方が有用であると考えられている。H1-抗ヒスタミン薬および肥満細胞安定化薬もまた、過敏性腸症候群における内臓過敏症に伴う疼痛の軽減に有効であることが示されている。

慢性疲労症候群ー複雑で疲労感を伴う長期的な病状。疲労は、継続的な激しい運動によるものではな く、休息によってもあまり緩和されず、前歴のある病状に よるものでもない。原因は不明であるが、提案されている機序には、 生物学的、遺伝的、感染症的、身体の生化学に影響を 与える身体的・心理的ストレスなどが含まれる。


・単純ヘルペスウイルス1型を含むヘルペスウイルスは、最初に感染した後、ほとんどの場合潜伏感染状態になる。最初の感染時は粘膜もしくは皮膚に感染する。その後神経細胞に逆行性に伝播し、神経節(三叉神経節、迷走神経の神経節、仙骨神経節など)に終生潜伏感染し、体調が変化したときに潜伏感染状態から目覚めて増殖を開始する。口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性角膜炎、小さな水ぶくれが多発して高熱が出るカポジ水痘様発疹症などの原因となっている。しかし、これらだけでなく、上記の神経節に潜伏感染した単純ヘルペスウイルス1型が再活性化することで副鼻腔炎、消化管炎症、間質性膀胱炎などを引き起こす可能性がある。また、線維筋痛症、過敏性腸症候群、慢性疲労症候群などの慢性疾患の一部では単純ヘルペスウイルス1型が関与している可能性が指摘されてきている。


・単純ヘルペスウイルス1型は50歳以上では67%以上のヒトが感染しているというデータがある。


・今回紹介するVirios Therapeuticsは、潜伏感染している単純ヘルペスウイルス1型の再活性化・増殖を抑制することで、線維筋痛症、過敏性腸症候群、慢性疲労症候群などの慢性疾患の治療を目指すバイオベンチャーである。


・Virios Therapeuticsとアラバマ大学が行った臨床研究では、過敏性腸疾患を患っている患者さんで単純ヘルペスウイルス1型感染が活発であることが示されている。


・Virios Therapeuticsのリード化合物であるIMC-1の線維筋痛症における可能性は、患者さんを対象とした二重盲検プラセボ対照無作為化Phase Iia POC試験において、主要評価項目である疼痛評価と副次評価項目である疼痛軽減、疲労軽減、全般的な健康状態の改善におい て、プラセボに対して統計学的に有意な改善が見られたことに裏付けられている。


パイプライン:

IMC-1

ファムシクロビル(抗ウイルス薬/ウイルスDNAポリメラーゼ阻害)とセレコキシブ(シクロオキシゲナーゼ阻害剤)の合剤。経口投与。FDAよりファストトラック指定を受けている。

ファムシクロビルでウイルスの増殖(複製)を抑制すると共に、セレコキシブで単純ヘルペスウイルス1型が自らの複製を増幅または促進するために使用する酵素であるシクロオキシゲナーゼを抑制する。抗ウイルス薬、NSAIDs、COX-2阻害薬は、それぞれ線維筋痛症単剤療法としては失敗している。

開発中の適応症

・Phase IIb

線維筋痛症

・Phase I

過敏性腸症候群、慢性疲労症候群


コメント:

・単純ヘルペスウイルス1型は多くの成人において潜在感染していることが以前から知られているが、 口唇ヘルペスなどの一部の軽微な疾患以外の重篤な疾患に関与するかどうかについては分かっていなかった。最近の研究から、人体には多くのウイルスが共生していることが明らかになってきている(参考)。潜在感染している単純ヘルペスウイルス1型がどのようなメカニズムで再活性化するのかは未だ分かっていないが、再活性化が重篤な疾患に関与する可能性は示されてきている。Virios Therapeuticsが進めている線維筋痛症以外にも、最近はアルツハイマー病、多発性硬化症などの神経変性疾患への関与が報告されてきている(参考)。免疫系は加齢とともに衰える傾向にあるため、単純ヘルペスウイルス1型が生体内で再活性化し、脳などの組織に広がる機会が生じる。これらの観察から、単純ヘルペスウイルス1型への感染は、ヒトにおける神経変性疾患を促進するか、または助長する可能性があるという考えが導き出された。Virios TherapeuticsのIMC-1はアルツハイマー病などの神経変性疾患の発症予防になる可能性がある。ただ、それを証明する治験のデザインは現時点では非常に立てづらい。Virios TherapeuticsがIMC-1の適応拡大として神経変性疾患を考えているかどうかも不明。


・単純ヘルペスウイルス1型に限らず、生体内に共生するウイルスが、加齢に伴う免疫系の異常などによって加齢性疾患の原因になっている可能性は十分考えられる。今後その可能性が明らかになってこれば、潜在感染しているウイルスをターゲットとした治験が他にも進められるかもしれない。


・ファムシクロビルは単純ヘルペスウイルス1型治療薬だが、線維筋痛症では単剤での有効性を示せていない。一方でセレコキシブとファムシクロビルの合剤であるIMC-1はPhase IIaでは有効性を示している。この違いの科学的説明が知りたいところ。


キーワード:

・単純ヘルペスウイルス

・シクロオキシゲナーゼ阻害剤

・線維筋痛症

・過敏性腸症候群


免責事項:

正確な情報提供を心がけていますが、本内容に基づいた如何なるアクションに対してもケンは責任をとれません。よろしくお願いします。

 

3 comentarios


Pierre Jordane
Pierre Jordane
21 feb

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Pierre Jordane
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Pierre Jordane
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21 feb

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